季節の風の中で

自然に感動した時、生きている事を実感する。その感動を誰かに伝えたい

カテゴリ: 山梨車中泊棚田スケッチ旅500k

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新米が出始めた。以前は、季節の味を楽しんだが、今は、高くて買えない。麦飯を知っている世代だから、米が不足なら備蓄米でも十分だ。

食べ物とお金は、無ければ困るが、必要な分量だけあればいい。できることなら自分で米を作りたい。
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長野県諏訪郡富士見町烏帽子の棚田(油彩F4)

水彩スケッチをアップした時にも書いたが、ここは山梨県ではない。県境を少し長野県に入ったところにある。

5月初は棚田に水が入った頃だった。この田圃も今頃は新米の収穫だろう。

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スケッチポイントを探して集落の中を巡ったが、耕作放棄地などは何処にもなかった。
家の周りも手入れが行き届いて、確かな暮らしがそこにあった。

南アルプス市の中野の棚田は大きく美しい。

小さな展望広場にはベンチが2つある。正面には農道が弧を描き下って行き、農道の両側に、間口が接するように扇状に棚田が拡がっている。
中野の棚田
山梨県南アルプス市中野の棚田(油彩P10)

ほんの数日前に田に水が入ったようだ。代掻きのタイミングのズレで濁りが異なり、田面の色模様が美しい。
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左手には少し勾配のある棚田が拡がり、その石垣も美しい。営々と働いてきた先人の軌跡だ。

5月に水彩スケッチしてきた山梨の棚田のうち、下笹尾の棚田は油彩100号に描き、そのほかの棚田は小さい油彩を3枚描いた。

この平林の棚田は水が入り始めたばかりだった。あちこちで水音がしていたが、まだ殆どの田に水がなかった。田に水がないと、どうも雰囲気が出ない。少し水を入れて描いた。
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山梨県南巨摩郡富士川町平林の棚田(油彩F8)

話変わって、2,3日前、南魚沼でクマ被害があった。2年前、スケッチ行ったところなので驚いた。
DSCN5336 - コピー

スケッチ先でクマ注意の看板に出会うこともある。他人ごとではない。

秋の公募展向けに描いている100号の棚田は、もうこれ以上手が入らなくなった。

自分としては、ほぼ完成なのだが、この状態で、過去の研究会では、「もっと描きこめ」と云われてきた。自分の感覚では、この程度でも描き過ぎのような気がする。

コロナを機に研究会に行かなくなって久しい。年齢的に、これから何十年も描くわけでもないから、もう自分の感覚で通してもいいだろう。
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100号部分 トラクターがない方がすっきりすると妻が云う 悩むところだ

しばらく手をおいて、眺めている時間が長くなると、絵として落ち着かないところが見えてくる。

見えた風景をそのままを描けばいいわけではない。創らなければ絵にならないことが多いのだ。それをまとめて一気に修正をする。

今は、筆の勢いを無くさないように、少し小さいサイズの棚田を描いている。100号を描いた後では、P10くらいだとあっという間に色が埋まる。

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10月に向けて描いていた100号は行き詰った。キャンバスを枠から外し、別の古キャンに張り替えた。

倉庫で丸まっていたこの古キャン作品は、結局どこの展覧会にも出さなかった。100号を描いて何処にもださなかったのは、これだけだ。その古キャンに、
急遽、下笹尾の棚田を描き始めた。

10/初頃までに完成させればいいから、まだ3か月ある。そんなに気がセクことはない。、

「戦は陣取り、仕事は段取り」、現役時代も、土壇場でジタバタしないのを信条でやってきた。早めに準備するのは、今も変わらない習性だ。

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下笹尾の棚田(油彩100号 部分)

過去の経験から、苦労した作品は、結果的にあまり出来が良くない。どこかに無理があるから苦労するのだ。その点、下笹尾の棚田は、うまく描けそうな気がする。

マチエールを作る必要もないし、すでに下に色がある。色を載せるのは簡単だ。アっという間に山は描けた。空もなんとか処理できるだろう。

問題は残り下半分で、どう生活感が表現できるかに懸っている。

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