ブログのシリーズ記事は時系列の逆順に表示される。ブログに慣れていない友人達には読みづらいらしい。ずっと気になっていた。過去ログ15の記事を時系列に1記事に再編集した。1記事にまとめたら、要約しても長い記事になりました。どうぞ、休み休み読んでください。


1日目(2015.5/13) 自宅―野辺山―南牧村-佐久―妙高

5月だというのに、もう台風6号。直撃コースだったが、夜の内に温帯低気圧になり、足早に抜けた。「今しか行くチャンスがない。」そう思い、白馬に向け出発。


連休明けは、道路も渋滞しない。天気が安定している。山には雪が残り、田に水も入る。寝袋一つで車中泊できる。そんな条件が揃う。

最終目的地は白馬だが、道中は長い。途中、八ヶ岳、浅間山、野尻湖、妙高、千曲川、栄村、小川村、青木湖etc かなり寄り道をして行く。

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野辺山

中央道を須玉で降り、佐久甲州街道を北上する。野辺山で良さそうなところがあったが、前から、この先の海ノ口で描きたいところがあったので、通過した。ところが、なぜか、海ノ口は思っていた風景と違う。


せっかくの良い天気、早く描きたい。今来た道を野辺山まで、10キロを逆戻りした。この道は佐久市体育館での長野県大会に行くために何度も通った。今迄、野辺山辺りは、八ヶ岳連峰を横に見るという感覚があって、あまり描く気が起こらなかった。

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野辺山(F8油彩)

中景に、サイロがある高原農場の建物が見える。この道を、学校帰りの男の中学生が歩いて行った。しばらくすると、それよりも少し小さい女の子が歩いて行った。後は誰も通らない。時々、風が吹いて牧草が揺れていた。

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南牧村海ノ口

再び、10キロ先の海ノ口へ。何年か前、通りがかりで海ノ口で見た景色は、マッターホルンのように切り立った山の麓に、アルプスのような傾斜地の牧場があった。坂道の樹間から、確かに見た。そして、いつか描きたいと思っていた。その場所が分からなくなった。


海ノ口からは、赤岳と横岳を右に回り込んで見る。左奥に急峻な赤岳が見える。もう午後の陽だ。夢を見たんだろうか、そんな景色は何処にもない。辺りは一面、なだらかな上がり勾配のレタス畑だった。

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海ノ口のレタス畑(F8油彩)

その後、佐久まで走り、浅間山のスケッチポイントを探したが、描きたい風景は見つからなかった。佐久ICから上信越道で妙高SAへ。今日はよく走った。           (妙高SA泊 550キロ )

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2日目(5
/14)妙高―斑尾―飯山―栄村―新井

斑尾

今日の夕方、妙高にいる妻の知人宅を訪ねる。その前に、斑尾高原から妙高を描き、次に栄村に行く。18号で南下、妙高高原駅の脇から、県道96号の細い山道で、斑尾に向かった。


ネット情報によると、斑尾ダングラムスキー場から、野尻湖と妙高の両方が見えるという。その風景を探して、斑尾高原の西端を走り回った。その風景は、スキーリフトに乗らなければ見えない風景だったようだ。

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信濃町古海5月(F10油彩)

今は、シーズンオフでリフトは動いていない。諦めて、少し下ったところで、この風景を見つけた。

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栄村

午後、斑尾高原を横切り、飯山に出た。町並みは古く質素で、良い雰囲気だった。北陸新幹線開業で、飯山駅だけが、やけに真新しく立派だった。

栄村は長野県の北端にある。千曲川沿いに117号を北へ。白馬スケッチ旅なのに、白馬からどんどん遠ざかる。


以前、新日本紀行で、冬の飯山線を見た。雪降る中を、1両のディーゼル車が山際を大きくカーブし、千曲川沿いを行く。とても風情があった。描いてみたい風景だったが、雪の時期には、とても来られない。


栄村は、東北震災直後、余震で大きな被害を受けた。被害を受けた横倉駅が再建され、NHKの小さな旅で放送された。その時、栄村の長閑な田舎風景を見た。


栄村のエリアは広い。まず、横倉駅に行ってみたが、再建された無人駅は真新しすぎ、絵心は湧かなかった。位置的には、駅のすぐ目の前を千曲川が流れているはずだが、河岸が高く水面が見えない。対岸の山の中腹を車が走っているのが見えた。車が見えるということは、見通しが利くということだ。

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栄村と千曲川(P10油彩)

対岸に渡り振り返ると、いま渡ってきた橋と千曲川が見えた。イメージしてきた栄村ではなかったが、広々とした良い風景があった。


ここから妙高まで50キロ、飯山街道で山越えし、新井に出た。5年前、富山の競技会の行き帰りに立ち寄り、歓待された。そのお礼のつもりが、またまた歓待された。「泊まっていけ。」と引き留められたが、明日の朝早く白馬に向かうので、夜遅くおいとました。(道の駅 新井泊)

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3日目(5/15)新井―小川村―青木湖―白馬―栂池

小川村

今日も良い天気。今回は、白馬に行く前に、小川村に寄る。朝早く、新井PAのスマートICから上信越道に乗り、長野ICで降りて、31号(通称オリンピック道路)で小川村に向かった。小川村は、青木湖の東寄りにある小さな山村で、桜を撮る人には有名らしい。ブロ友さんの記事で知った。

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小川村5月(F10油彩)

”ながれ桜”という小さな看板を見つけた。細い坂道を上がって行くと、小さなパークゴルフ場に出た。探していた風景と少し違うが、人影は無く、雰囲気は良かった。そのままでは絵に出来ないので、上半分は鹿島槍方向を、下半分は白馬方向を見て1枚の絵にした。

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白馬大橋

小川村から青木湖に行くため、一旦、大町方向に下って、糸魚川街道で再び北上した。昨年暮れ、白馬神城地震があった。その復旧工事で、糸魚川街道は片側通行規制されていた。


青木湖の手前で、白馬方面行は、湖岸道路に誘導されてしまった。対象に近づき過ぎると、景色も変わる。此処でも湖岸を行ったり来たりしたが、結局、青木湖で描くのを諦めた。いよいよ白馬へ

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白馬大橋から(F10油彩)

白馬大橋は、大出の吊り橋と同様に、大勢の人が描く人気スポットだ。定形風景だが、「一度は描いてもいいかな。」と、思った。


シーズンオフで、誰もいない橋の上に腰を降ろし、大きめのスケッチを描いた。やはり、絶景ポイントは、難しい。色と量のバランスをとるのに苦労した。


河原に降り、コーヒーを淹れ、白馬3山を見ながら、贅沢な気分でコンビニサンドウィッチの昼食をとった。今朝は早く出発したので、まだ時間がある。明日の天気予想はイマイチなので、描ける時に描いておきたい。次は栂池へ。

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栂池

白馬には何度も来たが、栂池には初めて来た。ゴンドラに乗りたかったが、残念ながら、シーズンオフで動いていなかった。見通しがきく場所を探して、上の方のスキー場に行ってみたが、ますます見通しが悪くなった。田圃がひらけるところまで下りると、シーズンオフのスキー場をバックにしたよい雰囲気の風景に出会えた。

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栂池(F8油彩)

ちょうど2年前、能登にいく途中、南小谷駅前の橋の上から、小谷村を描いた。雨飾山をバックにしたアルプスのような風景だった。


栂池で描いた後、その、アルプスのようなところに行ってみたかった。あたりをつけて、何本か適当な道に入り込んでみたが、細い道や崖に阻まれ、とうとう、そこには辿り着けなかった。


あきらめて、小谷道の駅の温泉へ。ここでも車中泊も出来るが、糸魚川街道沿いとはいえ、ここで地震にあったら、身動きがとれなくなってしまう。温泉に入った後、再び南下し白馬神城へ。神代は白馬地震の震源地なのだが、何度も車中泊をしたことがあるので、ここの方が安心できる。                (道の駅 白馬泊)

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4日目(5.16)白馬野平―木崎湖―梓川SA

今朝は予報どおり雨だったが、朝食をとっているうちに、雲が切れてきた。白馬に来たもう一つ目的の1つが、野平のおばあさんと再会するためだった。


2年前、能登に行く途中、野平に寄り、妻は菜の花と1本桜の畑で、私は少し離れたところから白馬3山を描いた。妻は、畑でおばあさんと出会い、昔話をいろいろ聞かせてもらい、その時の様子を「天空のおばあさん」という作品にした。

野平のおばあちゃん (460x640) (216x300)

(妻の作品 天空のおばあさん 再掲です)

今年4月の奥能登スケッチ旅2人展で、発表が終わったので、絵をおばあさんにプレゼントすることにした。3軒ほど訪ね歩き、おばあさんの家は分かった。

90歳だというが、妻の事を覚えていた。白馬地震で野平は、全戸避難だった。心配していたが、元気だった。

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雨上がりの野平(F6油彩)

今日の白馬3山は、雲の中だった。集落側を向き、雨上がりの野平を描いた。

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木崎湖

野平を描いて、午後は帰り道。昨日来た糸魚川街道を、今日は大町方向に南下する。今日は青木湖の、山側を走れる。少し期待をしていたが、もう少し高いところからでないと、描けそうもなかった。ここは、もっと下調べし、次回ということにした。


あっさり、青木湖をあきらめたのは、昨日、木崎湖を通過した時、描けそうなところがあったからだ。糸魚川街道から、木崎湖の西側の細い湖岸道路に入り、しばらく行くと、静かな風景と駐車スペースが見つかった。

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木崎湖静寂(F6油彩)

湖は得意な題材ではないが、風景の大きさが程よかった。今日は白馬野平と木崎湖の2枚が描けた。


明日は常念岳と安曇野を描く予定。安曇野の景色を眺めながら、さらに南下し、豊科(安曇野)ICから長野道に乗り、梓川SAへ。
ここで車中泊するのは3回目。最近、スマートETC化されたので、明日、また安曇野に向かうには、とても都合が良い。(梓川SA泊)

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5日目(5/17)安曇野―美ヶ原―

安曇野

今日も良い天気。常念岳も見える。梓川SAのスマートETCを降り、昨日来た147号を再び北上。南豊科辺りで、家並みの後ろに、チラリと田圃が見えた。例の感で、細い路地を左折した。常念はもう少し北から見た方が、良い山容なのだが、十分に美しい安曇野風景だ。

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安曇野(F8油彩)

スケッチ中に出会った老夫婦は、まだ午前の早い時間なのに、今日、2回目の散歩だとか。小さな女の子とお母さんが通り過ぎる。幼稚園への送りかな。大糸線の短い列車が通って行く。良い季節だ。その中でゆったりとスケッチした。幸せな時間だ。


安曇野も描けた、良い天気が続いている。旅は終盤、次は帰路の途中の美ヶ原へ

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美ヶ原

50年ほど前のこと。独身寮の部屋の相棒が計画を立て、2人で美ヶ原に来た。新宿発の夜行列車は、若者で満員だった。翌日の早朝、殆ど全員が上諏訪で降り、2人だけ取り残された。「みんな、どこに行くのだろう?」。次の下諏訪で降り、「エッ! 美ヶ原へのバスがない。」


しかたがないので、和田峠までバスで行き、そこから、山道を丸一日歩いた。それはそれは大変だった。やっとのおもいで、美ヶ原に辿り着き、そこで、またビックリ! 上諏訪から直行バスで簡単に来るルートがあったのだ。

その時は、美ヶ原から
上高地へと足を伸ばした。まだまだ、「エッ!」の連続だった。

相棒は勘定奉行でもあった。最後には軍資金が底をつき、八王子までしか切符が買えなかった。横浜までキセルし、ヒヤヒヤだった。その相棒は、50年経った今でも、無二の親友だ。


今日は、松本市街の混雑を避け、美鈴湖から王ヶ塔に入った。裏から見た美ヶ原は、電波塔の数は増えたが、50年前と雰囲気はあまり変わらないように見えた。

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美ヶ原(油彩P10)

王ヶ塔から美ヶ原までわずか数キロで、目の前に見えるが、車では行けない。美ヶ原まで簡単そうな案内看板だったが、走れど走れど、近づいたり離れたり、山の中を1時間ほど走った。

やっと美ヶ原に着いたが、
「ウーン!」と絶句。50年は長い。そこは、大遊園地に変身していた。王ヶ塔で描いておいて、本当によかった。


霧ヶ峰を通過し、諏訪ICから中央道に乗った。このまま走れば、今日中に我が家に帰れるのだが、明日の最終日は富士山方面に行く。                        (双葉SA泊)

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6日目(5/18最終日)双葉SA―精進湖―自宅


精進湖

山梨には競技会で何度も来た。いつも1泊2日で、1日は競技会で、もう1日は八ヶ岳か甲斐駒のどちらかを描いて帰った。山梨から富士山方面には行ったことがなかった。


双葉SAから、再び中央道を東へ。一宮御坂ICで降り、芦川村に向かった。地図の形状と”湖北ビューライン””の名称が、富士の裾野に、牧場のようなものを期待させた。


ところが、湖北ビューラインは、地図からは、想像もできない谷筋の道だった。景色が開けない中を1時間近く走り、「最終日は外れか?」と、あきらめかけた時、前が開けた。

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精進湖(油彩F6)

精進湖に来たのは初めて。人影もなく、静かだった。このスケッチ旅では湖を2枚描いた。富士五湖を走り、御殿場ICから東名で我が家へ。6日間の車中泊スケッチ旅は、無事に終わった。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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