西側はせまくて電柵を張れないので、房にタマネギネットを掛け対策していた。たまに雨模様の夜にやって来て、1.2房、網の上がらクチャクチャにし、あきらめて帰っていた。
ところが、ついに網を破ることを覚えた。もう止まらない。連夜の被害だ。早めに収穫し、近所、友人、孫達などに配り、残りは網を2重賭掛けにした。
これで効果がなかったら、全部収穫するか、もっと強力な網袋を探すしかない。
自然に感動した時、生きている事を実感する。その感動を誰かに伝えたい
手入れをしていると、「うちにもブドウの木がある。孫に食べさせたいのだけれど、うまく出来ない。」と、声を掛けられる。もしかしたら、人の役に立つかも知れないと思い,この記事を書いた。
最近このブログを見てくれる人が増えてきた。ブログ記事は時系列と逆に表示されるので、作業の関連が分りにくい。読みやすいように、2015年に書いた1年分の作業を、一つの記事にまとめた。記事は古いが、毎年この繰り返しである。
フェンスブドウ栽培の始まり
亡くなった母が、旅行に行った時に、ブドウの苗木を買ってきた。品種は定かでなかったが、どうやらベリーAらしい。枯らすわけにもいかず、あっち、こっち移植した。移植のせいか、苗木から成長しなかった。たまたま、エアコン屋外機の西日除けに移植した。
定位置になったら成長し始め、何の手入れをしなかったのに、実った。気を良くして、巨峰だったらもっといいな、と思った。ホームセンターで苗木を2本買って植えた。しかし、1本は、すぐに枯れた。
巨峰は難しいらしい。ちょっと本気になった。ワイン用のブドウ栽培は立木だから、「フェンスでも出来るのではないか。」と、考えた。それから、失敗と創意工夫の連続。母には食べさせることは出来なかったが、ここ10年、ベリーAは200、巨峰は100房、近所に配るほど実るようになった。
2015年04月30日
1.樹形
若木の時は、切り詰めず自由に大きく育てる。それを数本の主幹にする。我が家では、主幹はフェンスに沿わせ、横方向に10m、側枝は20cm間隔に出す。高さは垂直に2mほど伸ばす。


2015年05月01日
2. 芽欠き
ぶどう栽培の専門用語は知らない。専門家は笑っちゃうかもしれないが。私なりに分かりやすいように説明します。垂直側枝は、2芽残し剪定してあるので、大抵2つ芽が出る。元気な方を1つ残す。

3.花穂欠き
ぶどうの生育は早い。その10日後には、花穂が出てくる。花穂は側枝1本に複数出る。基本、一番穂を残し、他はぜんぶ欠く。
フェンス栽培を始めたころは、実を成らせる数を制限し間引いていた。そのうち側枝1本に1房実らせても大丈夫なのが分った。今は側枝の数だけ実らせる。
巻ヅルは冬に側枝を剪定するとき邪魔なので、伸びたら巻き付く前にぜんぶ取り去る。


2015年05月03日
4.花穂の整形
素人が作るにしても、花穂は整形した方が良い。これからの種なし処理、袋掛けの作業がしやすい。さらに、売り物と同じ形に実る。

花穂整形のやり方は、生産農家によって若干異なる。私は、花穂の元からの枝分かれしているケンを、3個ほど切り捨てる。

5.虫対策
もう、トラカミキリの被害が出た。巨峰は、毎年ゴールデンウィークの時期に、必ずと言っていいほど、やられる。素人は予防で殺虫剤を使うタイミングが分からないから、トラカミキリの侵入を防げない。被害が出た枝は、切り取り、ビニール袋に入れてゴミに出す。

全部がやられるわけではない。この時は、100本の枝で5本の被害が出た。もっと出るかも知れないが、素人は70%できれば上出来と思う事だ。
これを見逃し、たまに太い幹(主幹)に入られる。これは絶対、退治しないといけない。被害が大きくなる。
糞孔から木屑のようなものを出すから、注意していれば気付く。糞孔に脱脂綿を詰め、殺虫剤をしみ込ませ、上からガムテープを張っておく。7月頃になると、ブドウスカシバが同じような悪さをする。
2015年05月05日
6.側枝誘引
スズランテープで、引っ張ったり、縛ったり、他の枝と重ならないように、まんべんなく陽があたるように、垂直に誘引する。花穂が葉に隠れたり、擦れたりしたら、葉は切り落とし、陽が当たるようにする。
側枝にも脇芽が出てくる。迷わず全部欠き落とす。これから、フェンスのてっぺんまで、単純に1本、垂直にひたすら誘引する。

7.肥料
肥料をやりたいのは人情だが、肥料はやらない(フェンス栽培の個人の見解です)。植物は飢餓状態の方が、次世代に種を残そうと実を着ける。
かつて、肥料をやって、勢いよく成長させ、花も一杯咲いた。喜んだのはつかの間、実を着けず全部散ってしまった。”花ぶるい”という現象だ。
その失敗の経験から、10年も肥料をやっていない。ここは農地だったので地力があるのかもしれない。肥料をやらなくても、ちゃんと実る。もし、やりたかったら、窒素の少ない有機肥料を、様子を見ながら少しずつ試すと良い。

2015年05月20日
8.先端を止める
芽吹きから1が月、垂直に誘引したツルの先端が、フェンスのてっぺんまで来た。
先端を摘んで止める。生育旺盛だから、それでも1週間経てば、脇芽が出てくる。
それを単純に全部摘む。光合成には、葉の数は十分足りる。芽を伸ばそうとするエネルギーを、実を成らすエネルギーに向けてやる。


2015年05月22日
9.種なし処理
種なしにしなくても、良いのだが、食べやすいから種なしにする。
ジベレリンという粉末の薬品を使う。2gが4包入りで、1000円位だった。JAで売っている。
ぶどうの品種には、2倍体とか4倍体とか、植物学的にややこしい話がある。品種によってジベレリン濃度とか、時期とか、種なし処理の処方がちがう。

此処では、ややこしい話は抜きで、巨峰のケース
濃度は25ppm、処理は2回
1回目 満開(開花は一斉に揃うわけではない。家庭菜園だから、とりあえず、およそ満開でOK)
2回目 1回目の処理から10日から14日後
1包(2g)の半分を1000ccのペットで水に溶かす。これで濃度25ppmになる。

2回目の時には、もう小さな実になっている。
溶かした薬品の取り置きはダメ、というが、大丈夫。残ったら、冷暗所に保管し、2回目に使う。この程度の精度でも100%種なしになる。今まで失敗はない。
(いろいろ経験し、最近では手間を省くために、溶液に浸すのでなくスプレーでやっている。)
ベリーAの種なし処理は、巨峰よりかなり難しい。
1回目のタイミングは満開の14日前で100ppm。14日前の予測は、毎年データをとって決めるが、その年の天候によってずれこむ。しかも処理後の湿度条件が厳しい。
最近はフルメットやストマイを加える方法が紹介されている。ストマイは安価だが、フルメットは高価だ。いろいろ条件を変えて試している。
2015年05月31日
10.摘粒
満開から10日、巨峰の粒は大きくなった。

大きな房にしたいのは人情だが、欲張らない。房を小さくし、小さな粒は取り除く。巨峰は、最終的に30粒程度の房に仕上げる。
房が大きいと、袋の中で押し合いへし合いになり、裂果の原因にもなる。

これで50粒程度になった。これから袋掛けするまで、粒が葉で擦れ、傷ついたり、斑点出来たりするので、それを取り除くと、おおむね30粒位になる。
2015年06月11日
11.袋かけ
摘粒して10日後の様子。順調に育っている。


今年は生育が早い。今晩から雨の予報なので、例年より早めに袋かけをした。袋かけ意味は、防菌、防虫、防雨、防塵etc。袋かけした方が良い。袋はJAで売っている。

12.病害対策
生産農家は病害・虫害を出したら、生活が立ちゆかない。そのために年に13回もの予防消毒をするという。
黒痘病が出たら、素人には太刀打ちできない。切って捨て、切って捨ての繰り返しになる。
だから、私は、黒痘病予防にやる。休眠期の春先にベンレート水和剤で1回だけ消毒する。家庭菜園は商品ではないから、プロ農家の1/13減農薬栽培で十分やれる。
13.裂果対策
巨峰は、日照りが続いた後、集中豪雨が来たら、裂果する。常に土中の水分を安定させることがポイント。水管理は、栽培農家でも難儀するという。いろいろやってみたが、素人でしかも路地栽培だから無理。
すべて自然任せでやっても、7割は収穫できる。
2015年08月26日
14.収穫
夏休みも終わり頃から巨峰が収穫できるようになった。袋を開け、良さそうなものから収穫する。これからしばらく、楽しみがつづく。

この年の巨峰の出来はいまいち。袋かけしない房を一つ残し、様子をみながら、マルチを張ったり、大雨の前には根を切ったり、水やり管理は気をつかったが、かなり裂果していた。猛暑の後の土砂降りが悪かったのか?
何もしなくて、自然に良くできた年もある。来年は、袋の下を開放し、雨避けだけで、あとは自然に任せようと思っている。巨峰の水管理は素人には無理だ。

左から2つは巨峰、我が家の巨峰の色づきは、こんなもの。
一番右はベリーA。味は巨峰に負けるが、裂果せず、簡単に良くできる。今年も150~200程度実った。これで近所、友人にお裾分けできる。
2015年12月29日
15.剪定
生産農家は春前に剪定をするが、私は正月前に、家の周りの大掃除を兼ね、ぶどう、柿、桃、梅 などをいっぺんに剪定する。
これら植物は、この時期には活動を停止しているから、剪定してもなんら問題ない。



今年伸びた垂直枝を、2芽残して剪定する。節を数えてみると、この枝は4回(4年)も剪定したことになる。
ぶどうに限らず、剪定した切り口は、乾燥を防ぐためと雑菌が入らないように、墨汁を塗り、その上に木工ボンドを塗っておく。このひと手間が大切です。

これで、自己流フェンスブドウ栽培1年の締めくくりです。毎年、同じことの繰り返しです。たくさん実り、楽しませてくれます。この他、数年に1回、冬期に主幹(横枝)の皮を剥いで、カイガラムシやカビ系の病気を防除します。
16.苗木の増やし方(追加記事)
ホームセンターで売っている苗木は挿し木らしい。挿し木を試してしてみたが、難しいし、良い苗ができない。
ほっておいても気根が出るくらいだから、取り木で簡単に増やせる。そのままでもたいじょうぶだと思うが、私は幹の皮を剥いてから湿ったミズゴケで包む。その上からビニールで巻き保湿する。
ときどき水を補給してやる。これで100%成功する。春に取り木し、秋に切り取る。ホームセンターで売っている苗木よりはるかに立派な苗木ができる。
先端に近い細目の主幹が取り木しやすい。取り木して主幹が短くなったら、翌年、近くの側枝を倒して主幹を延長してやればいい。
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